もし生き残れたなら・・・との思いを持って(会長コラム)

 

 3・11は、なんとも悲惨なエピソードを、数多く残す結果となった。

ネットで見つけた話を披露したい。

http://nozawa22.cocolog-nifty.com/nozawa22/2012/06/post-ffb9.html

 

 …地震の鎮まった後、救助隊は、ある若き女性の家に到着し、そこで瓦礫に埋もれた彼女の遺体を発見した。しかし、彼女の遺体はどういうわけか奇妙なことに膝立ち姿勢をして、あたかも祈りを捧げるかのように身体を前方にやりながら、両腕に何かを包み守っているかのようだった。

残念ながら、彼女はもうすでに亡くなっていることを確認した。

 救助は、生きている人が優先である。彼と隊員たちは、その家を後にし、隣の倒壊したビルに向かおうとしたが、リーダーは、ふと、想うところあり、急遽彼女の家に引き返す指令を出した。

 そこで再び、倒壊した家屋に跪き、今度は瓦礫の隙間から、彼女の遺体を再度確認した。

 彼女の膝立ち姿勢で何かを守っているようである。膝の下の小さな隙間に手を入れてみた。

 そこで彼は突如興奮して叫んだ。

「子供だ!子供がいる!」

そしてチーム全体が協力し合い、彼女の遺体周りの瓦礫を除去した。

 するとそこには、母の身体の下で、花柄の布に包まれた生後三ヶ月の小さな男の子がいた。その母の立ち膝の姿は、明らかにわが子を守ろうとした自己犠牲の姿でした。

 家が倒壊する時に、彼女は自分の身を投げ打って息子の命を守ったのだ。

救助隊が救い出した時、幼い男の子は、未だ静かに眠ったままであった。

医師は速やかに幼子の容体を確かめに駆けつけた。

赤ちゃんが包まれた布を開くと、そこには携帯電話もあった。

携帯電話の画面にはこう書かれていた。

「もしもあなたが生き残れたなら、わたしがどれだけあなたを愛していたか、どうか憶えていてね。」…

 

最後に、絵本作家の葉祥明氏のポエムをご紹介して、ペンを置く。

 

  母親というものは、無欲なものです。

  我が子がどんなに偉くなるよりも、

  どんなにお金持ちになるよりも、

  毎日元気でいてくれることを心の底から願います。

  どんな高価な贈り物より、

  わが子の優しいひと言で十分過ぎる程幸せになれる。

  母親というものは、実に本当に無欲なものです。

  だから、母親を泣かすのは、

  この世で一番いけないことなのです。