関東信越国税局長 河村 直樹
令和5年の年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
関東信越国税局管内納税貯蓄組合連合会の皆様には、健やかに新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
旧年中は税務行政に対しまして、深いご理解と格別のご支援・ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、生活や経済活動に大きな影響を受けたほか、他方では経済活動のデジタル化・国際化の進展により、税務行政を取り巻く環境について急速に変化した年でありました。
当局といたしましては、新型コロナウイルス感染症が今後どのように推移するか予断を許さない状況を踏まえ、基本的な感染対策を引き続き行うとともに各々の納税者の置かれた状況や心情に十分配意し、柔軟に対応してまいります。
こうした中、経済社会の変化やデジタル技術の進展等を踏まえて、「税務行政のデジタルトランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-」に沿って、「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2本の柱としつつ、「デジタルを活用した、国税に関する手続や業務の在り方の根本的な見直し」への取組を進めております。
特に「納税者の利便性の向上」を図るためには、マイナンバーカード方式によるスマホ申告をはじめとした自宅からのe-Taxの推進、キャッシュレス納付や納税証明書のオンライン請求の推進などにより、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指し、今後も行政手続全体のデジタル化に力を入れていく方針でありますので、オンライン手続の利用拡大を一層推進していくこととしています。
また、本年10月からはインボイス制度が開始されます。制度の開始からインボイス発行事業者となるための原則的な登録申請期限は、本年3月末が期限となっております。当局においてもインボイス制度の円滑な開始に向け、関係府省庁と連携し、より多くの事業者の皆さまへの周知広報に努めてまいります。
こうした状況の下、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という国税庁の使命を十分に果たしていくためには、引き続き、納税貯蓄組合の皆様のお力添えが必要不可欠であると考えておりますので、ご支援・ご協力をお願いいたします。
全国納税貯蓄組合連合会と国税庁との共催事業である中学生の「税についての作文」事業につきましては、地域社会のリーダーである皆様のご尽力により、令和4年度において、関東信越国税局管内では8万8千編を超える作品の応募があり、東京局、大阪局に次いで全国で3番目の応募編数となっております。本年度の作品の中からは、国税庁長官賞8編などの入選作品がありました。
本事業は、次代を担う中学生に税に対する理解と関心を持っていただく上で、非常に意義深いものであり、全国規模で展開される効果的な租税教育活動として、高い評価を受けております。
また、受賞者の中には「1日税務署長」の委嘱を受け、作文の朗読や教育長への表敬訪問などに積極的に参加していただいている方もおられます。
皆様が着実に育てられたこの歴史と伝統を持った事業の一層の充実が図られるよう、私どもも共に取り組んでまいりたいと考えております。
間もなく令和4年分の確定申告が始まります。
令和4年分の確定申告では、新型コロナウイルス感染症の基本的な感染防止対策を講じつつも、会場運営や内部事務の効率化を徹底するため、引き続き、スマホ申告をはじめとした自宅からのe-Taxについて強力に推進していきます。
特に、スマホ申告については、令和5年1月から、青色申告決算書・収支内訳書にも対応するほか、マイナンバーカードの認証回数が削減されることにより、更なる利便性の向上が図られるため、確定申告会場においてもスマホ申告の利用勧奨等に積極的に取り組んでいきます。
納税貯蓄組合連合会の皆様におかれましては、確定申告の円滑な実施に向け、引き続き、局署の取組について、ご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。
結びに当たり、新しい年が納税貯蓄組合連合会の皆様にとりまして幸多き年となりますよう心から祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。