2015年度税制改正での中小企業・小規模事業者関係は

 中小企業者等の法人税率は、年800万円以下の所得金額について19%に軽減されており、その税率は、2015年3月末までは15%に軽減されているが、2015年度税制改正では、適用期限が17年3月末まで2年延長される。年800万円を超える所得金額については、15年4月から、現行の25.5%が23.9%に引き下げられる。また、法人実効税率引下げの財源確保の中心となる外形標準課税の見直しについては、中小企業等へは導入されない。

 

 商業・サービス業・農林水産業活性化税制は、商業・サービス業を営む中小企業等が経営改善設備を取得した場合に、取得価額の30%特別償却又は7%税額控除ができるもの。その適用期限が2017年3月末まで延長される。経営改善設備は、経営革新等支援機関等による、経営改善に関する指導に伴って取得する1台30万円以上の器具・備品(ショーケース、看板、レジスター等)や1台60万円以上の建物附属設備(空調施設、店舗内装等)をいう。

 

 研究開発税制は、外部の技術・知識を活用した研究開発であるオープンイノベーション型について、控除率を現行の12%から30%に大幅に引き上げるとともに、中小企業等の知的財産権の使用料等を対象費用に追加するなど、抜本的に拡充する。総額型とオープンイノベーション型をあわせ、控除上限は30%を確保する(総額型25%+オープンイノベーション型5%)。いずれも恒久措置となるが、繰越控除制度は廃止される。

 

 所得拡大促進税制は、2017年4月の消費税率再引上げに向けて、適用要件のひとつである給与総額増加要件を緩和し、適用期間を2018年3月末まで3年間延長する。現行の給与総額増加要件は、基準年度の2012年に比べ、15年度は3%増、16年度・17年度は5%増だが、改正後、中小企業等は、15年度は3%増(大企業3%増)、16年度・18年度も3%増(大企業は16年度4%増、17年度は5%増)に緩和される。

 

 事業承継税制は、中小企業の事業承継のより一層の円滑化を図るため、2代目から3代目に承継する場合に、贈与税の納税義務が生じないようにする。現行では、1代目が存命中に、2代目が3代目に株式を贈与した場合には、猶予されていた贈与税の納税義務が2代目に生じるため、3代目への承継が困難だが、改正後は、1代目が存命中に、2代目が3代目に株式を贈与した場合には、猶予されていた贈与税の納税義務を免除する。

 

出典:ゼイタックス

http://www.taxcom.co.jp/snews/top/publish.cgi?news_src=1598&cat_src=tax&enc=utf-8