辛い経験から気づかされたこと

 九月十日。常総市を水害という大きな災害が襲いました。すごく辛い経験でした。でも、私は、税の大切さに気づかされるいいきっかけにもなりました。

 鬼怒川が決壊した時、私は、妹と祖母と従姉の家に避難しました。テレビを見ていると、押し流される家や救助される人達など、水害の番組ばかりで、毎日毎日不安でした。家に帰りたくても帰れず、私は初めて、災害の本当の怖さを実感しました。

 やっと家に帰れた時、家は床下浸水だったので、少しホッとしました。しかし、倉庫や庭は、めちゃくちゃになっていました。でも、親戚の人達が何日もかけて片付けてくれたおかげで、もとのきれいな倉庫と庭になったのでよかったです。

 私はある日、母と市内の様子を見に行っていました。その時、公園でとても心の痛い光景を目にしました。それは、大きなごみの山です。小さい頃、毎日のように遊びに行っていた公園が集積所となっていて、当分、遊べないほどになっていたのです。

 しかし、数日後、公園を見に行くと、ごみがなくなっていました。そんな簡単に片づけられるものなのかなと思いながらも、また、もとの公園に戻ったんだなとうれしく思いました。私は、あのたくさんのごみがこんなに早く処分されたことに少し気になったので、市役所で働いていた祖母に話を聞いてみました。すると祖母は、

「たくさんのごみは、市や県、そして国の税で片づけられたんだよ。」

と教えてくれました。私はその時、初めて税のありがたみを実感しました。

 実際に災害にあって、もちろんたくさんのボランティアの人達もお手伝いをしてくれましたが、「税」という義務は、改めて大切だなと思いました。道路もスーパー堤防も税で作られたのだと聞き、税は私達の大きな支えだと気づきました。

 熊本地震もあったように災害はいつ起こるか分からないものです。だから、もし、どこかで災害が起こってしまったら、募金をして援助すると共に一つ一つの税をまた違う思いで払いたいなと思いました。また、いつも私は、なんで税を払わないといけないのとばかり思っていましたが、こういう災害の援助の場面でも役に立っているのだと知ったので、税は本当に大切なんだなと実感することができました。

 私は、これをきっかけに税について、さらに詳しく知りたいと思ったので、家族に聞いたりして、税の知識を深めていきたいなと思います。

 今回、体験した辛い経験は、自分の中でも大きなことだったので、学んだたくさんのことを胸に刻みながら、生活していきたいなと思います。