夢を創る私たちの税金

 夏休みも終盤に差し掛かり、まだまだ厳しい暑さが続く夕方、私と祖母は近所にある駒場運動公園へ愛犬の散歩に出掛けます。公園への散歩は私と祖母と愛犬の日課で、木影のあるベンチは愛犬のお気に入りの場所です。また、この公園はたくさんの思い出が詰まっています。父が自転車の乗り方を教えてくれたこと、母ともみじのスケッチをしたこと・・・。私の成長の傍らには、いつもこの公園がありました。

 そんな私が税についての作文を書くことになり、初めて税金について考えました。まだ私が小さな頃、あの公園で私は父にある疑問を尋ねました。

 「昨日はあそこにたくさん落ち葉が溜まっていたのに、どうして今日は全部きれいになっているの?」

「それはね、税金で整備されているからだよ。私たちが充実した生活を送ることができるのは、税金のおかげなんだ。」

あの頃の私には、父の言っていた意味が十分に理解できませんでしたが、今なら分かります。税金は、私たちの生活にとって必要不可欠な存在です。もしも税金が無かったら・・・救急車を呼ぶのにもお金がかかってしまうし、病院で診察を受ける費用もすべて自己負担になってしまいます。もちろん、あの思い出の詰まった公園も、雑草や落ち葉でいっぱいになり、家族とのたくさんの思い出を作ることはできなかったでしょう。私が家族と思い出を作り、成長することができたのは、税金のおかげなのです。

 私はこれから、高等学校、大学とさまざまな教育を受けさせていただきます。それだけでなく、将来家庭を築いて子育てをする母親になったら、税金によるさまざまな支援制度が必要になります。私が大人になり、母親になったら、今までにたくさんお世話になった税金への恩返しとして、誇りを持って納税をしたいです。また、父が私に教えてくれたように、今度は私が私の子供に税金の大切さ、ありがたさを教えてあげたいと思います。

 思いでの公園の隣には、さいたま市青少年宇宙科学博物館があります。小さな頃は、休日をこの博物館のプラネタリウムで過ごしました。先日、久し振りにそのプラネタリウムに足を運ぶと、隣に座っていた男の子が目をキラキラさせて言っていました。

「僕、将来は宇宙飛行士になりたい!」

博物館は、子供たちの夢が生まれる場所です。その場所を整備するのも、税金です。納税をするということは、子供たちに夢を与えることとも繋がるのです。ということは、納税が日本の将来への投資であると言っても過言ではないと思います。

 さて、そろそろ日が陰ってきたし、二人と一匹で公園へ出掛けよう。