現在から未来へ、国民を守る税金

 あなたは税金の使い道というと何を思い出すだろうか。たぶん、中学生ならば公共のサービスや施設を思い浮かべるだろう。しかし、それだけではなく、税金は給付金という形で、様々な活動を支援することにも使われている。私は最近、その給付金について興味深いことを知った。

 給付金といえば「子ども手当」が有名だと思う。これは二〇一〇年から始まった制度だ。私はこの制度を将来のための投資だと感じた。理由は、この制度により子供を産み、育てやすい環境になり、人口の減少が防げると思ったからだ。これにより税収の減少や産業の後退などを防ぎ、日本の国力が将来下がりにくくなる。この「子ども手当」に代表される給付金制度だが、他にもたくさんの種類がある。私はその中の「青年就農給付金」という存在にとても興味をひかれた。これは、農業を始める若い人を助けるものだ。将来農業に携わりたいと思っている私には、とても心強い。具体的には農業の研修期間二年間と、独立してからの五年間、合わせて最大七年間給付金がもらえる制度だ。年間にもらえる額は百五十万円。これはかなり大きい額だと思う。こんなに高いお金を税金から出す必要があるのかと思う人もいるだろう。しかし、この制度には大きな意味があるのではないだろうか。

 年々農家の高齢化が進む日本では海外の穀物と野菜を大量に輸入している。そのため、食料自給率がとても低い。戦争や外交問題などでもし輸入がストップしたら・・・。このことから、食料自給率を上げるために日本は農家を増やす必要がある。その点で「青年就農給付金」は大きな役割があるだろう。農家は天候の影響を受けやすいので、国が安心して農業を続けられるように支援することはとても大切だ。後継者がいなくなった農家は田んぼや畑を手放す。そのような土地なども若い人が利用すれば、今までより一人あたりの規模は大きくなると予想できる。そのときに、土地代や機械代がかなりかかるが年間百五十万円の給付金があれば若い時から大規模な農業ができる。

 こんな風に税金は、国民が平等に利用できる公共のサービスや施設以外にも、特定の人に限られてしまうが給付金にも使われている。それは平等でないという人もいるだろう。しかし、これは日本の現在から未来を守るためのものなのだ。メイドインジャパンを世界に発信するためにも第一次産業、第二次産業の活性化に税金を使うのは良いことではないか。私は「青年就農給付金」を利用して、将来大規模農業をしたい。そして、国民の食を支えることで私にお金をくれた人々に恩返しをしたい。私が当たり前のように生活ができて、学校に行けて、夢が持てるのは、働いたお金を納めてくれているたくさんの大人のおかげだ。だからその人たちに感謝して、私も国の発展に貢献したい。