介護と税

 ぼくの母方のひいおばちゃんは、九十一歳で「アルツハイマー型認知症」です。ぼくのことはもちろん、家族全員のことも忘れてしまっています。

 先日、お盆でひいおばあちゃんが入所している老人ホームにみんなで会いに行きました。久しぶりに会ったひいおばあちゃんは、車いすに座ってぼんやり宙を見つめていました。

 母や伯母が話しかけても反応してくれません。そんな時に、介護士がお茶を運んでくれました。そのお茶は、飲み込みやすいようにゼリー状になっていて、スプーンで食べるようになっています。祖母がゆっくり食べさせてあげていると、さっきの介護士が、他の入所者に声をかけたり、お茶を飲ませてあげていることに気がつきました。

 周りを見ると、四人部屋や個室、壁には曜日ごとのお風呂に入る順番が書いてある紙がはってあったりしました。ひいおばあちゃんのような高齢者のお世話をしやすいように工夫されているのだなと思いました。そして同時に、ここでの生活費はどうのように支払われているのだろうと考えました。

 祖母に聞いたら、介護を社会全体で支える仕組みである「介護保険」は、六十五歳以上が支払うもので、半分が保険料で、残りの半分が、国・都道府県・市町村が負担するものだそうです。ということは、半分は税金が使われているということです。

 また、ひいおばあちゃんがお世話になっているような介護福祉施設は、設立時に補助金が、国や地方公共団体から支出されるそうです。

 ぼくたちの身近な人たちが、税金によって助けられていると思うと、税金がいかに大切なものなのか、考えるようになりました。そして、もっと税金について学び、理解する必要があると思いました。

 「税金」というと、ぼくはあまり良いイメージはありませんでした。でも、ひいおばあちゃんがお世話になっている老人ホームに行って、介護について考えてみた時に、税金の大切さや、たくさんの人を助けてくれているということを知ることができました。

 これからも、高齢化が進むと思います。ぼくも、大人になったら、税金に感謝しながら納税し、ひいおばあちゃんのような、お年寄りやその家族が、安心して生活できるような国であってほしいと思います。そのためにはぼくたちが責任を持った納税者にならなければならないと思いました。