「命と社会保障」

 税の使い道に社会保障というものがある。これに、平成二十八年度では約三十三パーセント使われている。社会保障の中には、「医療」、「年金」、「介護」などがあり、自分たちの身近なところで役立っている。ということは、医療を例に挙げると人の命が沢山救われているということがいえる。ぼくもその一人である。

 ぼくは、二歳のときに、「横紋筋肉腫」という小児がんの一種の筋肉の病気にかかった。その時のことは今でもよく覚えていて、変な薬を毎日飲まされ、沢山注射したり、手術もした。そういった治療を受けてきたおかげでぼくはこうして今日まで生きている。もし治療をしていなかったら、ぼくはもうこの世にはいないだろう。当然これらの治療には、何千万というお金が必要である。だがそんな大金をはらえるわけはない。そこで役立つのが社会保障だ。社会保障では、治療にかかるお金を負担してくれるのだ。そのおかげで、ぼくみたいに何人もの命が今日もこれからも救われていく。これは、すごいことだと改めて感じる。骨折などのけがや、かぜやインフルエンザなどでもそうだ。ぼくみたいに大きい病気をしていなくても、必ずどこかでやくに立っていて多くの人がかかわっていると思う。それだけ社会保障の影響を多く受けていると分かる。

 さらにぼくたちの学校では、「高齢者障害者施設」の方々との交流を兼ねた、ボランティア活動を行っている。そういった場合にも社会保障が使われている。そのおかげで、高齢者の方々も安心で、便利な生活がおくれていると思う。ぼくは実際そこで、楽しそうに暮らしている人達を見て、税のおかげでこんなに助かっている人がいるんだな、と思った。

 それでもやはり一番は、税を納めてくれている人たちに感謝したいと思う。ぼくたちが学校へ行っていたり、習い事をしたり、遊んでいたりしている時に大人の人たちは、一生懸命働いてくれている。その給料からは所得税、物を買うことによる消費税などの形で、税金が納められている。これらの人々のおかげで、社会保障制度が充実して、いまの社会がまわっているんだと思う。ぼくの命や、日本中の命は、税金のおかげで守られていると言っても過言ではないと思う。

 税という言葉を聞いて、最初は歴史の税のことぐらいしか浮かばなかったけれど、こうして調べてみるとぼくも税に命を救われている一人だということを知ったし、大人になったら今度は、自分が恩返しとまでは言えないけど、日本人の一人として、しっかりと税金を納める人になりたい。