私は、税金と言えばスーパーで物を買う時に8%の税金を払っている事は知っていた。ところで私は、生まれつき口の中と口に奇形がありたくさんの手術を受けてきた。今も、治療をしに私の住む埼玉県から東京都内の病院に通っている。
今、小学校五年生の時に手術をした時の治療成果が見られて順調に治療が進み、歯並びが良くなりステーキなどがかみきれるようになり、食物をおいしくいただけるようになってきた。
夏休みに入ってすぐの通院でよくなってきたことがうれしくなり、両親にそして、「口の中がきれいになって良かった。」と話すと、母親が、「それは、良かったよね。あなたの口の手術をするたび国が、将来がある子供にすこやかに育つように手術のお金を負担しているんだよ。そして、そのお金は、日本国民の税金によりまかなわれているんだよ。働いてくれている大人達に感謝しなくちゃね。」と話してくれた。その時私は、「うん。」と一言小さな声でぼそりと返事をした。
病院に入院するたび、いつも友達がいていつもの教室で学べる事に健康で、物事が分かる力があるって本当にすばらしい事だと思っていつもの生活に戻っていた自分がいた。その時は、手術をしてくださる先生方と毎日往復4時間かけて世話をしにおみまいに来てくれる両親にとても感謝していた。そして自分は痛いのをがまんしてがんばったと、考えていた。
小さな声でぼそりとつぶやいたのは、みずしらずの大人が、働いて国に税金を納税してくれている。そういうことは、自分に将来の日本を託してくれているということを、初めて心から気付いた事だった。胸がとても、苦しくなり、目がしらが、ほんの少しだけど、熱くなったのだ。
学校も日本の将来のために授業が無料で、その費用も高い税金で利用されている事は知っていた。その他にも、子供の病気を治すための治療のためにも税金が利用されていたことは、知らなかったのだ。
両親が手術をするたびに「あなたは、税金を払える大人になりなさい。」と小さい頃から言われて来たことが今ならよく分かる。
私も、しっかり働いて、私自身の様に、たくさんの手術が必要な子供達に、私自身の様にしっかりとした、治療が受けられる様に税金をしっかり納税できる大人になりたいと思う。そのために、勉強のチャンスをくれる今、自分でも、できる限りの力をふりしぼって、勉強をがんばりたいと思う。
日本の未来を真剣に考えて納税している大人のために、そして日本の未来をよりよい生活でありたいと思う私達世代が、私達より先を生きる日本の子供達のためによりよい税金の使い方を考える事が、税金の輪がひろがるのだと思った。