形になった税金

 僕は毎日、自転車をこいで中学校に通います。その途中に三月まで通っていた小学校があります。そこでは暑い中、沢山の工事関係者の方が、毎日汗だくで作業しています。小学校の新築工事はしばらく前から始まっていましたが、僕達の卒業には間に合わず、新校舎の見学はヘルメットをかぶり、工事現場の見学でした。でも、そんな僕達でさえも、毎日自転車で通るたびに、出来上がっていく新校舎をワクワクした気持ちで見ていました。そしてついに夏休み前に完成し、二学期からは新校舎で勉強できるそうです。小学校三年生の弟は

「早く学校始まらないかな。学校行ったらお友達と探検するんだ。」

と張り切っていました。そしてその時の笑顔がとても嬉しそうで、僕は少しうらやましく思いました。

 新校舎は“形になった税金”です。そして弟の笑顔は“税から生まれた笑顔”でもあると思うと、僕は初めて税金という物を身近に感じました。僕達中学生でも、買い物をする時に消費税を払います。正直、消費税がなければもう少し安く買えるのに・・・と思った事が何度もあります。特に四月からは八%に増税され、来年の十月には十%になる予定だそうです。税金を“払わされている”という感覚だった僕は、増税のニュースに少しがっかりしました。でも、新校舎の建設費用も沢山の税金が使われており、そのお蔭できれいで広々した教室で、伸々と勉強できるのです。教科書や学費も税金でまかなわれており、僕一人が小学校入学から高校卒業するまでの十二年間で一千万円以上の税金が使われるそうです。僕の生活も税の支えがあってこそだと実感し、税に対するイメージが変わりました。

 世界でも百ヶ国以上の国に消費税があるそうです。ヨーロッパ諸国の税率は特に高く、デンマークではなんと二十五%だそうです。他の税金もびっくりする位高いのに、幸福度調査では第一位で、その理由は十分な社会保障が実現されているからだそうです。大きな保障には沢山のお金が必要です。国民は国家を信じ、高い税率であっても保障として返ってくると納得しています。デンマーク国民は政治意識が高く、税金の使い方にも強い関心を持っているそうです。僕達も幸せだと誇れる様な住みやすい国になる為に、税金の事について興味を持って良く調べ、理解することが大切だと思います。

 今の僕達は受け身の立場で税金を使わせて頂いています。将来に夢を持ち、それをかなえる為の教育を保障してくれているのです。だから僕達は、きちんと税金を納める重要性と必要性を理解し、感謝の気持ちと責任感を持ち続けなければなりません。そして日本の未来を築いていく一人であるという誇りを持って納税出来る大人になりたいと思います。