私は先日、最後のコンクールを終えて吹奏楽部を引退した。部活動を通してたくさんの経験をし、かけがえのない仲間ができ、たくさんの思い出ができた。私自身、部長をやらせていただき、大きく成長できたと思う。
引退するにあたって、私は部活動というものについて色々なことを考えた。そして私は気付いた。それは「税金がなければ部活動はできない」ということだ。
吹奏楽部は楽器を扱う部である。今音楽準備室にある楽器の中で、個人で購入できるものは限られている。税金のおかげで私達は様々な楽器に触れ、それらを使って演奏することができたのだ。税金が無ければ、恐らくその大半の楽器を、私達は見ることさえできなかっただろう。
また、これまでに様々な演奏会でたくさんの会場を使用させていただいた。入間市市民会館、狭山市市民会館、またコンクール会場である所沢市民文化センターMUSEなどだ。これらは税金によって造られたホールである。大きくて素晴らしいホールを、市民のために税金を使って造ってくれたことで、私達も使うことができた。
ホールを一日使うだけでも莫大な費用がかかる。その使用料で、私たちが負担している部分は少なく、他は税金から支払われている。コンクールも同様だ。
大きなホールで演奏できたことで色々なことを学んだ。たくさんの人の協力で、一つの本番が完成すること。ステージの上の輝く世界。何より、部員一同の心を一つにして演奏できたこと。MUSEでのコンクールの演奏は、一生忘れられないものとなった。これらは全て、税金があったからこそ実現したのだ。
そんな税金に、また納税者の方々に、私がお返しできることは何なのか。中学生である私にできることは、中学校生活や部活動に真剣に取り組むことだと思う。時間を無駄にせず、物を大切に心を込めて使い、たくさんのことを学ぶのが私にできる恩返しだと考えている。
実は私は、引退するまで「あの楽器があればまた違う表現ができたのに」と、無い物に目を向けていた。でも引退したあとに、その考えは変わった。私達は毎日、こんなにたくさんの楽器を使っていたと気付いたのだ。
私はこの考えを、後輩に伝えなければならないと思っている。今部活動ができることがどれだけ有り難いことか、色々考えることで、部活動への取り組み方も変わると思う。
またそれは、私の学校生活でも同じだ。残り少なくなってきた中学校生活を、一秒も無駄にしないという気持ちで、大切にしたい。
そしてこれから、私はもっと税金のことを学びたいと思う。将来私が納税する立場となったときに、たくさんの知識を持っていたいからだ。また、その使われ方にも、最後まで目を向けていきたいと思う。