税金への感謝

 「平成二十六年四月一日より消費税八パーセントへ。」

 私が初めてこのことを知った時、正直、「嫌だな。」と思いました。今まで、小学校や中学校で行ってきた租税教育では、多くの種類の税金を学びましたが、中学生の私達にとって一番身近な税金というのは、やはり物を買ったときにつく、消費税だからです。

 四月に入って何日間かは、買い物することが嫌でした。今まで買っていた値段で買えないというのは、損をした気分でした。しかも、価格の表示は税抜き価格が多いため、計算をするのがとても大変だったのです。

 しかし、私は、その考えが変わった出来事がありました。私は、足が痛くなってしまい病院に行ったのです。その時、母の言葉を思い出しました。「うちは他の人よりも安い値段で見てもらえるからね。」私の家は母子家庭です。私達は、母の収入で毎日生活をしているのです。そのため、少し援助をしてもらっています。その一つが病院にかかるときのお金です。よく考えてみると、そのお金も税金から来ているのではないかと思いました。私は、税金というものは、はらうときには嫌な気分になってしまいますが、実は自分に返ってくるのではないかと思います。

 私は、このように思っているから、他にどんなことに役立っているのか考えてみることにしました。

 まずは、学校に関することです。私の通う学校は、二年前、新校舎になりました。一つ一つの教室はとても広く、全教室エアコン完備という、旧校舎に比べてはるかに勉強のしやすい環境になりました。よく考えてみるとこの校舎建設代も税金から出されているのだと思いました。また、毎年配られる教科書。この教科書には、「これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。」と書かれています。確かに、今までの九年間、教科書のお金をはらっていませんでした。いつもは気にしないことでも、感謝しなければならないのだと改めて感じました。何気ない普段の学校生活、当たり前のように勉強できていることに感謝していこうと思いました。

 その他にも、東日本大震災のときや台風のときなど災害時の援助。私達の利用する図書館などの公共施設の建設などに使われていて多くの人に役立っていることが分かりました。

 私は、このようなことを知り、考えを改めようと思いました。私たちがはらっている税金は、自分に役立ち、他の人にも幸せにします。税金のあることに感謝しなくてはならないのです。ことわざに「塵も積もれば山となる。」というものがあります。多くの人が少しずつ税金をはらうことで、多くの人が幸せになるという大きなことにつながるのです。私は、このことを思い出しながら、「嫌だ。」なども言わず、税金をはらっていこうと思います。