待っててね

 中学生の僕にとって一番身近な税金と言えば、消費税である。どこで何を購入するにも、必ず消費税が発生する。税金というと大人が支払うものというイメージがあったが、消費税だけは年齢を問わず支払義務が発生する。現在消費税は八%のため、一万円の商品なら八百円もプラスされてしまう。正直僕はいつも、「なぜ商品の代金の他に消費税をプラスして支払わなくてはならないのだろう」と思っていた。

 そこで、僕が支払っている消費税が実際に何に使われているのかを調べてみようと思ったのである。財務省が発行している資料等で調べはじめてすぐに、消費税の税収は年間十七兆円前後であり、主な使い道は社会福祉だということがわかった。この社会福祉とは主に、年金、医療、介護、子育て支援と、まさに僕自身や僕の家族に大きく関わっていることばかりだったことに驚いた。そして同時に僕は、祖父と祖母のことが頭に浮かんだのである。

 僕の両親は共働きのため、僕も妹達も自宅のすぐ近くにある祖父の家に帰宅し、祖母が作ってくれる夕食を食べながら両親の帰りを待っている。祖父と祖母はふたりで買い物へ行き、僕達が好きそうなおかずを毎日用意して帰りを待っていてくれる。ただ祖父は、僕が一歳の頃脳出血で倒れ、右半身麻痺になり、それ以降十四年間杖と車椅子の生活を送っている。倒れた当時、まだまだ働き盛りだった祖父の突然の闘病生活は、祖母や母や叔母達の生活を一変させた。しかしそんな時に支えてくれたのが、この社会福祉だったのである。

 日々使用している杖や車椅子、電動ベッド、そしてヘルパーさんによる入浴介助等、要介護認定を受けている祖父は、介護保険のおかげで自己負担額は一割でサービスを受けることができている。その残りの九割は介護保険つまり税金でまかなわれているのである。それだけではない。入院や手術、月に何度かの通院も、医療保険のおかげで自己負担額は三割となり、やはり残りの七割は税金でまかなわれているのである。こんなふうに全国のみんなが買い物そして支払った消費税が集まり、それが僕や僕の大切な家族を支えてくれているのだということを知り、税金の大切さやありがたさを改めて感じたのである。

 これからも僕は買い物へ行き、消費税を支払う。僕が支払う消費税はほんのわずかだが、でもきっとどこかで誰かの支えになる。そう思うと、なんだか今までより消費税がプラスされていることがうれしく思えた。数年後、僕は働き始めるだろう。そうすればもっとさまざまな税金を納税し、たくさんの人を支えることができるのだ。

「待っててね」

今日も僕達のためにおいしい夕食を用意して待っていてくれる祖父と祖母を見て、僕は心の中でつぶやいた。