守れ!とちぎけん

 突然ですが、私は栃木県が好きです。私は昨年、茨城県から引っ越してきました。初めは、方言も県民性も微妙に違う「とちぎ」に馴染めるか不安はありました。でも、寒暖の差に季節感を感じる気候は年間を通して住みやすく、穏やかな人の多くいるとちぎを、私はすぐに好きになりました。

 そんなとちぎの魅力の一つに、豊かな自然があります。歴史ある杉並木が続く日光に代表される山岳地、日光国立公園は、私たちに清らかな水や空気をもたらしてくれます。

 そんな美しい自然を実は私たちが守り育てているということを、みなさんは知っていますか。私たちが納める税金の中に「とちぎの元気な森づくり県民税」というものがあります。これは県内には森林の荒廃が進んでいるところがあり、そうした森林保全のために導入された栃木県独自の税金で、県民税を納める個人や法人によって支えられています。

 その税金の使い道の一つとして、荒廃している林の間伐を行っています。スギやヒノキなどの人口林は、間伐を行わないと成長しても木材として利用できなくなります。そのため定期的な管理に必要な費用として税金が使われています。また間伐によって切り出された木材は、小中学校の机・椅子・日光杉並木保護の木柵などの整備に活用されています。

 他には、私たちのような子どもの安全確保のために、通学路や住宅地周辺にある暗くうっそうとした林を整備することです。不要木ややぶの刈り払いなどをすることで、景観が美しくなるだけでなく、イノシシなどの野生獣を人のいるところに近づけないという効果もあるそうです。さらに人への被害だけでなく、田畑の農作物を守ることにも効果があることを知り、とても驚きました。

 こうした森林の整備以外にも、森づくり活動地域支援も行っています。市や町が行う市民やボランティアを対象とした森づくり活動の支援です。私たちの森林環境学習などもこの税金のおかげで行うことができます。県民が参加し、実際の体験を通して森づくりについて考えられるよう、木工教室や苗植え、森づくり活動体験などをすることができます。

 私は生き物が大好きです。森林などの環境が良くなっていくことは、貴重な生き物の保護につながります。そしてなりより、私たち人間も、森林によってもたらされる清らかな水や空気によって命を育まれているのです。そうした大切な森林を守ることに私たちの大切な税金が使われているということは、とても素晴らしいことだと思います。なぜなら税金を納めている人にその使われ方がわかるということ、税金を納めている人たちの生活に直接かえってくるからです。

 私はまだ県民税を納める年齢ではありませんが、だからこそ「今できる自然の保護」、そして将来「大人としてできる自然の保護」を実践できる生活をしていきたいと思います。