税金の役割

 「税金で払われているから無駄遣いしてもいいや。」私は、日々の学校生活の中でよくこの言葉を耳にする。しかし、税金だから私達には関係ないと言って、税金で賄われている様々な物を無駄に使用することは、果たしてよいのだろうか。

 以前の私は、税について漠然たる印象しか持っていなかった。しかし、税のポスターで優秀賞を頂いた事を機会に、自分の中で税に対する意識が変化した。そこで、税について興味が涌き、私達中学生の税の使用用途は何だろうと調べていると、ふと見た資料に、とても大きな衝撃を受けた。なぜなら、公立学校の児童、生徒一人当たりの年間教育費負担額に百万円近くも使用されているからだ。義務教育の九年間はわずかなお金を払えば学校に通えると思っていた私は、この時初めて、たくさんの人が納めた税金が、私達の快適な勉強のための教育環境を支えているのだということを知り、税金のありがたみを実感することができた。

 私の父は消防士として働いている。救急車や、消防車での人命救助や消火活動はもちろんのこと、東日本大震災時の被災地支援などの活動も、税金で賄われていることを知った。しかし、近年救急車の使用が問題になっていることを父から聞いた。それは、軽い病状にもかかわらず、救急車を呼び、タクシー代わりに利用するということだった。私は、憤りを感じた。重い病状の人が救急車を呼べず、亡くなってしまうのではないか。また、税金を無駄に使用した分を、他の所にあてることができたのではないかと。

 私達は、たった十五年間の中でも、義務教育の九年間の教科書無償配布、学校の環境整備や、予防接種、公園や図書館の施設など、様々な形で、たくさんの税金で支えられている。しかし、税金がある生活があたりまえだと感じ、税金のありがたみを忘れ、意味の理解も不充分なまま、税金を無駄遣いする人が多いのが現状だ。こんな世の中の改善するため、私達一人一人が税金の意味を理解し、もう一度、税の使い方を見直していかなければならないと強く思う。

 今回の作文を書くに当たり、税金についていろいろな調べ学習を通して、税金の大切さ、快適で幸せな生活を支えている税金の重要な役割をしっかり理解することができた。そして、国民一人一人の税が国を支え、国は国民一人一人に快適な暮らしを保障するように、税金のしくみにも、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という言葉が息づいていることを感じた。

 私はまだ、消費税でしか社会に貢献することはできないけれど、将来大人になったらしっかりと納税し、社会に恩返しできるようにしたい。

快適で幸せな生活や暮らしのために…