税に対して意識を持つ大切さ

「何か欲しいものがあったら買ってあげるぞ。」

 六月の終わりに祖父が私に言った。理由を尋ねると、プレミアム商品券を購入することができたからだと教えてくれた。

 プレミアム商品券とは、一定額の商品券を購入すると地元でプレミアム分を上乗せした金額の買い物ができる商品券だ。私の住む守谷市では、一万円で購入した商品券にシニアカードを持っているので、三千円のプレミアムが付いて、一万三千円の商品が購入できるという。

 大人気のため、祖父は購入するのに四時間も並んだそうだ。大変な思いで手に入れた商品券で好きなものを買ってくれるという祖父に、私は感謝した。しかし、その時は欲しいものが思い付かなかったので、少し考えさせてほしいと祖父に伝えた。

 何を買ってもらおうかな、私はとてもウキウキした気持ちだったが、ふと疑問が浮かんだ。一万円で購入した商品券で、なぜ一万三千円の買い物ができるのであろうか。私は調べてみることにした。

 プレミアム商品券は、国の交付金を活用した事業で、地域の消費を喚起し、回復の遅れている地域経済の活性化をも目的として実施されたそうだ。守谷市意外でも千七百を超える自治体で発行されていた。プレミアム分の三千円は税金でまかなわれていたのだ。税金がみんなの喜びにつながることに使われているのはとてもいいことだと私は思った。

 しかし、中には税金のバラマキだという声もあった。一時的に消費が増えるが、翌年には反動で消費が減るのではないかという意見で、それには私も納得した。

 通常、税金は公共の施設かサービスとして私達に還元されることが多い。しかし、プレミアム商品券のプレミアム分の三千円は自由に使うことができる形として私達に託された税金だ。私達はそのことを意識し、地元経済の活性化を考えて使えば、税金のバラマキにはならないのではないだろうか。

 他の税金についても同じだと思う。例えば、私が毎日通う学校にも税金が使われているが、生徒達がその意味と目的を意識し、勉強や学生生活に励まなければ、税金の無駄遣いだと言われてしまうだろう。納める時も、使う時も、税金に対して意識をみんなが明確に持てば、無駄だと言われる税金は減り、有効に使われ、みんながより幸せだと感じる日本になるのではないかと私は思う。

 結局、祖父のプレミアム商品券では、昔からある近所のケーキ屋で、家族みんなで食べられる大きなケーキを買うことにした。地元への応援の気持ちを持ちながら食べるケーキは、普段よりもおいしく感じられ、私は幸せな気持ちになった。