税は日本の未来の柱

 平成二十九年から、消費税率が十パーセントに引き上げられる。以前の私は、このことについてあまり考えなかった。単純に、払うお金が増えたら国民みんなの生活が苦しくなるだけだと思っていた。税について、よく知らなかったのだ。

 しかし、学校で税について学び、家でも調べていくうちに、いろいろなことが分かってきた。まず、私たちの生活は税金によって支えられているということだ。学校の校舎を建設したり、教科書や机を購入したり、といった教育のため。ゴミの処理、健康診断など、健康で快適に暮らすため。消防士や警察官が住民の安全を守り、公共施設を造って暮らしを便利で豊かにするためにも使われる。私の住む栃木県では、「とちぎの元気な森づくり県民税」という独自の税が納められ、森林保全に役立てられているそうだ。私の家の周りには多くの森林が見られるが、それはこの税のおかげかもしれないと思うと、ありがたく感じる。また、大田原市では、小中学生の給食を無料にしている。市内の数千人もの小中学生のために、どれだけの税金が使われているのだろう。私達が毎日おいしい給食を食べられるのも、税金のおかげなのだ。

 税は国民の生活をより良くしてくれる大切なものだ。だが、日本の財政は税収だけでは賄えず、現在、国の歳入の約四十パーセントが公債費とよばれる借金だという。八百七兆の残高があり、その返済のための国債費が歳出の中で大きな割合を占めている。こんなことで、今後の超高齢化社会を乗り切れるのだろうか。福祉をより充実させるためにも、消費税の増税は仕方がないかもしれない。

 でも、ただ増税すればよい、という訳でもないと思う。私達にもできることがあるはずだ。何もしなかったら税率は上がる一方だろう。例えば、税金はゴミの処理にも使われている。ということは、ゴミが増えるとそれだけ多くの税が処理のために費やされるのだ。だから、一人一人がゴミを減らす努力をすれば、処理に使われるはずだった分の税金を別な場所に使える。ゴミだけでなく私達が環境に配慮した生活をすれば、より税の節約になるはずだ。その分、高齢者の生活を支える年金や、福祉施設、少子化対策などを充実させることができる。自ら行動を起こせばそれが社会のためになり、自分も得をすると思う。

 税の負担は確かに大変だが、未来の社会のため、自分のためにも納めなくてはならない。いわば日本の将来を支える柱なのである。柱がすり減ってしまったら安定した生活は保障されない。必要以上に税を使わない努力をすることでその柱を補強していけば、揺るぎない明るい未来が待っているだろう。私は、税が何のために使われるのかきちんと理解し、しっかりと納められる人になりたい。そして、今私達の生活を支えてくれる税の存在は当たり前ではないという感謝の意識を持ちたい。