納税者となるにあたって

 「税」その一言から私が思い出すのは「祖調庸」や「年貢」といった、社会の歴史で習った語句です。現在では「お金」を国に納めていますが、昔は「米」や「特産物」を納めたり、「防人」という、兵役なども国民の義務だったのです。時には、重税に苦しみ、餓死する人も多くいたそうです。

 今現在の日本の税では、消費税が五パーセントから八パーセント、十パーセントまで上がろうとしていることが、私の身近にあります。消費税増税はもう決まったことですが、これに十五歳の私は賛成です。国の税金が増えることによって助かる人たちが増えるからです。税にはほかにもさまざまな種類のものがあります。児童福祉や高齢者福祉、生活保護医療保険など、税金のおかげで私たちの生活の一部は助かっているのです。私も、虫歯の治療に歯科医へ行ったとき、「十五歳以下の方は無料です。」と言われて驚きました。歯の治療にも税金が働いているのだ、と。学校の義務教育や教科書も税金のおかげで無料になっています。私たち「子供」や「高齢者」「障がい者」を支援してくれる税金。それが増えるのは「子供」にとっては嬉しいけれど、実際に納税しているのは「親」で、親は増税のことをどう考えているのでしょうか。

 母は「正しく使われるならいいが、人の金だからといって雑に使うのはやめてほしい。東北の復興など、本当に人の役に立つために使ってほしい。」と言っていました。確かに最近では、新国立競技場の建設が問題になっていて、二千五百二十億円もの費用かかってしまい、当初予算の千三百億円に千億円以上も上乗せされてしまったそうです。私はこのニュースや新聞の記事を何度か見ました。ニュースに出ていた街の人たちは「税金のムダ遣い」などと言っていました。デザインは個人的にはいいなと感じましたが、大切なのは外見じゃなくて、選手が良い結果が出せるような設備なのではないかと思いました。それこそが「皆が喜ぶ税金の使い方」なのではないでしょうか。

 「皆が喜ぶ税金の使い方」もちろんそれで今の日本が便利になっています。しかし更にこの国を豊かにするには、新国立競技場もそうですが、「ムダな使い方をしない」ことが重要です。ムダになってしまった税金で、人々がどれだけ楽な生活を送れるか。一人一人が考えるだけでも、日本はもっと豊かになれると思います。

 最初は「税」の一言で、歴史の語句しか出てきませんでしたが、税の作文を書いているうちに、「税」について興味を持ちました。これから納税者となり、三年後には選挙権も与えられます。私自身も税金についてもっとよく知り、正しい使い方を判断できる人になりたいです。