私たちの今と未来を支える税金

 「教科書って無料なの?」

 ふと、教科書の裏表紙の「¥0」という文字が目に入り、私はとても驚きました。授業で使う他の問題集や資料集などには値段が書いてあるのに、教科書はタダ?

 家族に尋ねてみると、税金でまかなわれているので無料だということでした。税金はこんなところに使われているんだ・・・税金が急に身近なものに感じられました。そして、子どもの私も、きちんと税金のことを知ったり考えたりしなくてはいけないのではないか、思うようになりました。

 教科書以外の税の使い道を調べてみると、学校や図書館など、みんなが使う施設を作ったたり管理したりするお金、道路や橋などを作るお金、警察や消防の活動費、ごみの収集や処理をするお金、病気やケガをしたときの治療費の補助金など、挙げれば切りがありません。私たちが安心して救急車を呼べるのも、税のおかげだそうです。それらは全て私たちにとって当たり前のように感じられますが、みんなが困ったときに同じように利用できるサービスは、ほとんどが税のおかげと考えてよさそうです。

 ところで、今年四月に消費税が上がりました。税金が私たちの生活にとって重要なものだということは理解していますが、商品の値段が高くなってしまうことは、やはり正直嫌な気持ちでした。どうして五%から八%に増税したのでしょう。これについても調べてみました。

 今回の増税は、「社会福祉財源の充実と安定化」を目指すために行われたそうです。現在日本には千兆円以上の借金があり、増税前の税収は四十三兆円、とてもまかないきれません。また、少子高齢化社会である日本は、これからますます高齢化が進むにあたって、現役世代の負担が集中していきます。それを解消するために、消費税を五%から八%に引き上げ、その増税分を年金、医療、介護、少子化対策などの社会福祉に使おうという経済政策だそうです。増税によって私たちの生活に多少影響は出ますが、少しでも安心した日本の未来のためと考えれば仕方のないことですし、逆に今からきちんと払っておかなければ大変なことになってしまいます。このまま何もしないでいた場合、私たちが大人になったときや、私たちの子どもの世代が大人になったときに、現役世代の負担がとてつもなく大きなものになってしまうのは目に見えています。日本の未来のため、一人一人の国民の未来のために必要だということを認識して、少しずつ「返済」と「貯金」をしていかなければいけないのだと、分かりました。

 みんなが安心して生活するために、税は必要不可欠なお金であり、必要不可欠なシステムです。私の生活は、今もこの先も税に支えられていることを自覚し、税金に感謝しながら、しっかりと協力していこうと思います。