税金の力

 税金ときいて、私が思いつくことは、国民が働いて稼いだお金の一部が、国のために使われているということだ。例えば、高齢者への年金、人々が助け合うための活動費、そして、私たちが通う学校などの公共施設の建設費。よく考えると、私たちの周りには、税金が使われているものが多くあることがわかる。それと同時に、税金の大切さ、税を払う重要さにも気づかされる。

 そこで私は、もっといろいろな場面で税金が使われているのではないかと思い、調べてみることにした。調べてみると、今まで知らなかった使い道がたくさんでてきた。その中でも、私が一番注目したことは、経済協力費である。あまりきいたことのない使い道だったので、もう少しくわしく調べた。

 世界には、多くの人々が貧困や飢餓に苦しみ、深刻な事態になっている発展途上国がある。そんな国々に援助金として使われるのが、経済協力費だ。主に技術協力、無償資金協力、有償資金協力の三種類がある。技術協力という、日本の技術者を派遣して、現地の人々の技術力や能力向上の補助をする活動はきいたことはあったが、税金が使われていることは知らなかった。他にも、建物や道路を作ってあげたり、それに必要なお金を貸したりしている。

 これらに使われている税金は、日本の全ての税金の中の、ほんの0.5パーセントだそうだ。しかし、この0.5パーセントが、発展途上国にとって、大きな発展につながるかもしれないのだ。

 国民は、税金をはらうことに、あまり前向きな気持ちではないだろう。私も、今は税金を払うことは大切だなんて考えているけれど、実際に自分が税金を納める立場になったときには、考え方が変わってしまっているかもしれない。今だって「百円のものを買うのに、たった八円の消費税を払うのはなぜだろう」と思ったりすることもある。でも、今、国民が払う税金や、私が払ったほんのわずかな消費税が、積み重なって、大きな力になることがわかった。そして、この税金で、発展途上国の人々の命が少しでも多く救われたらいいと思った。

 また、自分たちの払った税金が、このような援助金として使われていることをよく知らない人が多いだろう。税金は、国民のためだけでなく、世界の人々の命を救う力になっているということを、もっと多くの人が知るべきだ。そうすれば、税金を払うときの憂鬱な気持ちが、自分たちが大きな力になっているんだという、少し嬉しい気持ちに変わる気がする。

 最後に、私は、この作文を書いて、税について、改めてよく考えることができた。今の税に対する考えを、大人になっても忘れずに生きていきたいと思う。